日本史上最高レベルの「パスを呼び込む才能」 日韓W杯では“身体能力”もエグかった
【歴代名手の“私的”技術論|No.2】柳沢敦(元日本代表FW):日韓W杯を見返して驚かされた“上手さ”だけではない能力
2002年日韓ワールドカップの日本代表の試合を見直してみた。といっても数年前のことなのだが、日本が初めて出場した1998年フランス大会から順番に見返していった。
3戦全敗だった98年大会のチームは、なかなか技巧的だった。中田英寿、名波浩、山口素弘のMFトリオが上手い。FWへクサビを入れ、レイオフしたボールをサイドへ散らす攻撃は、ハマると鮮やかだった。
4年間をワープして02年、初戦のベルギー戦(2-2)を見て驚いてしまった。
4年前にあった技巧的なパスワークは影も形もなく、パスは3本とつながらない。中盤をすっ飛ばしてのFWへのロングボールばかり。まるでヨーロッパ下部リーグの試合のようではないか。こんなんだったっけ?
この試合は現地で見ている。その時も少し蹴りすぎだとは思っていたが、こんなに酷い内容だったとは当時は感じていなかった。あれから20年近く経過しているし、98年から02年までの過程を飛ばして見たからだろう。日本とベルギーはともにグループリーグを突破してベスト16へ進んでいる。どちらも弱いチームではなかった。
ロングボールばかりのラフな展開と感じたのは、4年間でサッカーが変化していたからである。
フランス大会では中田英が、ドリブルでスペースを突き進む姿が何度も見られた。グイグイ持ち出していく推進力は素晴らしかったのだが、4年後のベルギー戦ではそんなプレーはほとんど見られなかった。中田英が劣化したのではなく、4年間でサッカーが変化していたのだ。ドリブルで突き進むようなスペースがない。やろうとしても奪われるか、ファウルで潰されるか。陣形はコンパクトになり、中盤のスペースはなくなり、試合の基調が潰し合いになっていた。
互いにコンパクトで密集した中盤をつなぐのは難しい。そこでトップへのロングボールを多用していたわけだ。思い返せば、フィリップ・トルシエ監督は最初からそのつもりでチームを作っている。
「10~15秒の攻防が200回あるのが現代のサッカーだ」(トルシエ監督)
ガンガンぶつかり合って、ボールを奪ったら可能な限り直接的に相手ゴールへ向かう、いわゆるダイレクトプレー志向がはっきりしていた。トルシエがかなり極端な戦術志向の持ち主だったのは確かだが、当時のサッカー自体が全体にそんな感じだったのだ。
柳沢がいなかったら…ベルギー戦の攻撃は成立しなかった
この試合を見返して、もう一つ驚かされたのが柳沢敦だ。
自分よりはるかに大きなベルギーのDFを相手に、ロングボールの競り合いで優位に立っていた。ジャンプ力、フィジカルコンタクトの強さ、ポジショニングのアジリティー……驚異の身体能力だった。こんな選手だったっけ?
当時の柳沢の印象と言えば「上手いFW」だ。
受けの名手で、鋭角的なプルアウェイで難なくマークを引きはがしてパスを受けていた。動くタイミングも素晴らしく、早すぎず遅すぎず。パスの出し手とタイミングが合わない時は、動きを止めずに連続的に受けるための場所を作っていく。この受けの能力が抜群なので、それだけシュートチャンスも多くなる。その割には決定力がいま一つだったのが玉に瑕だったが、自分の動きでラストパスを呼び込む才能は日本史上で最高レベルだったと思う。
鹿島アントラーズではそうした洗練された受けの技術で勝負していたので気づかなかったのだが、02年のベルギー戦を見返してみると身体能力がエグい。もし柳沢がいなかったら、ベルギー戦の攻撃はまったく成立していなかっただろう。
相棒の鈴木隆行も体が強く、この試合では印象的な同点ゴールを決めている。小野伸二からの縦パス1本だった。5秒ごとにぶつかり合うような試合展開、互いに1本か2本のパスでフィニッシュへ結びつけようとする。ディフェンスラインの裏はどちらも空いているが、その手前は詰まっていて、4年前のように手数をかけるための場所がない。一発狙いのやり合いは、トルシエ監督が言っていた「15秒×200回」そのものだった。
98年の日本代表は日本らしかった。今で言うなら「ジャパンズウェイ」だった。02年は全然日本らしくはない。ただ、たぶんトルシエ監督は正しかった。
ヨハン・クライフは「結果が出るまでは狂人扱いされるもの」と言っていたが、トルシエもその意味では天才型の監督だったかもしれない。ただし、結果が出ても天才とは評価されていないので、やっぱり変人のほうが近いのだろう。
鹿島と大きく異なる環境で能力を発揮したポテンシャルは相当なもの
バヒド・ハリルホジッチ監督が日本を率いた時、「トルシエと似ている」という感想を持った人も多かった。だが、ハリルホジッチは勝利至上主義者だが、トルシエはむしろ自分至上主義という違いがある。トルシエは時代の流れを汲み取ったスタイルを日本に植え付けているが、その後率いたマルセイユでも同じことをやっているので、あれが彼のスタイルなのだ。
日本代表史上でも例外的なぐらいフィジカルを基盤としたスタイルは、その前とも後とも関連性がない。日本サッカー協会による強化の場当たり主義、消極的勝利至上主義をよく表していたといえる。
ともあれ、鹿島とはだいぶ違う環境でも能力を発揮していた柳沢のポテンシャルは、やはり相当なものがあったと改めて思った。敗れたトルコ戦(決勝トーナメント1回戦/0-1)では首を痛めて欠場した。トルシエ監督は三都主アレサンドロと西澤明訓の初コンビ起用のギャンブルに出て、ものの見事に失敗したのだが、柳沢が健在だったら、もしかしたら歴史は変わっていたかもしれない。少なくとも、あの時のチームでは替えのきかない存在だった。
(西部謙司 / Kenji Nishibe)
Football ZONE WEB 2020.05.09
https://www.football-zone.net/archives/261000
2002年の日韓ワールドカップを戦ったFW柳沢敦【写真:Getty Images】
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200509-00261000-soccermzw-socc.view-000
4 :2020/05/10(日) 03:23:47
その四年後、急にボールが来たので
5 :2020/05/10(日) 03:25:09
QBK
7 :2020/05/10(日) 03:28:04
おまえらQBKさんに謝れや
9 :2020/05/10(日) 03:31:38
それだけうまくてセリエでも試合には出てたのに
アタッカーとしての才能を認められなかったうんこじゃん
29 :2020/05/10(日) 04:48:14
>>9
シュート下手だからな
だからサイドハーフとかで使われた
逆に使われるのはある意味スゴいんだがな
10 :2020/05/10(日) 03:34:04
鹿島史上最高レベル
https://i.imgur.com/L2u00zM.jpg
11 :2020/05/10(日) 03:36:28
当時は高原が前線でボールもキープできて、ドリブルで一人抜いてシュートまで持っていける力もあって一番良かったと思う
14 :2020/05/10(日) 03:42:11
もう上田綺世は見たくない
16 :2020/05/10(日) 03:46:22.47
「パスを呼び込む才能」っていうくくりなら上田が日本で最高の才能だろうな
南米A代表相手にU22のチームで戦えて決定的チャンスをくくりまくったのは、
明らかに上田の飛びぬけた才能だった
中山時代ではヨーロッパに手も足もでなかった訳だからな
17 :2020/05/10(日) 03:50:55
>>16
そのチャンスをことごとく外す才能も飛び抜けてたな
19 :2020/05/10(日) 03:59:39
岡崎のゴールへの嗅覚が備わってればレジェンドになれたかもな
23 :2020/05/10(日) 04:23:44
上田が動きで決定的チャンスを作った回数はスアレス上回っていたからな
やはり飛びぬけてるといわざるをえない
24 :2020/05/10(日) 04:25:00
フランスW杯の時に中田に異常に嫌われていて不憫だな、って思ってたけど柳沢
要するにFWとして絶対に必要なハートが弱すぎたんだね
35 :2020/05/10(日) 05:22:50
>>24
フランスW杯?
柳沢はまだ代表じゃなかったろ
フランスW杯は98年だぞ
柳沢は97年ワールドユースで中村俊輔とのコンビが良かった
99年ワールドユース準優勝組との融合でシドニー五輪ベスト8
南米選手権に出た代表がほとんど消えて、そのままシドニー五輪組が代表の中心になってアジアカップ優勝し2002年W杯ベスト16
41 :2020/05/10(日) 05:39:43
>>24
フランスの時のFWは城ロペス中山岡野。
26 :2020/05/10(日) 04:30:01
ポジショニング?オフ・ザ・ボール?みたいな要素では言うなら間違いなく日本史上最高だ
決定的に足りないものがあったが。
27 :2020/05/10(日) 04:46:46
結局鹿島のFWなんてブラジル人ありきなんだから代表で活躍を期待する方が間違ってるんだよ
32 :2020/05/10(日) 04:57:57
和製インザーギになれると期待してた時期があったな~
33 :2020/05/10(日) 05:09:07
QBKの時は全世界が驚いたもんなw
あれの衝撃は凄すぎたw
38 :2020/05/10(日) 05:31:00
QBKといい、梨花といい、色々ネタが豊富で色眼鏡で見ちゃうんだよな
39 :2020/05/10(日) 05:32:23
おなごを呼び込む才能も発揮
44 :2020/05/10(日) 06:04:24
ジーコが悪い
トップ下で育成したら
翼くんになれた逸材
45 :2020/05/10(日) 06:20:30
中村俊輔がだいぶ前に言ってたから全く驚かない
48 :2020/05/10(日) 06:39:36
和製クライファート
53 :2020/05/10(日) 07:06:41
でも実際、急にボールが来たって言い訳はあんまりだと思います
56 :2020/05/10(日) 07:35:00
貰うまではワールドクラス
57 :2020/05/10(日) 07:38:59
トルシエ時代を称賛してる層は試合を見返した方がいい
この筆者のような感想を抱くはず
試合内容は決して良くはなく面白くない
面白さではザック時代前半が総じて良い印象
59 :2020/05/10(日) 08:10:57
>>57
トルシエはアジアカップまでとW杯では別チームやからな
61 :2020/05/10(日) 08:37:05
ロシア戦のワンタッチアシストは神の域
イタリア戦のボレーといいドイツ戦のループパスといいこいつのワンタッチはホント惚れ惚れするテクニックだった
あとはクロアチア戦で決めてくれれば完璧だったんだがw
63 :2020/05/10(日) 09:09:17
フィニッシュまではガチのワールドクラスだったからな。
65 :2020/05/10(日) 09:42:59
ロシア戦でも決定的な場面でおもいっきり外してたな
66 :2020/05/10(日) 09:46:20.41
スタジアムで見ると本当に面白い選手
74 :2020/05/10(日) 10:03:46
>>66
基本技術高くて
テレビで映っていないボール持ってない場所での動き方が
勉強になる選手
スタジアムで楽しめる
ガンバの二川とかもそうだったわ。
ずっとどこにいれば良いのかを考えてる。
68 :2020/05/10(日) 09:47:27.76
W杯日本代表のレギュラーFWの中では城と高原が1番酷かったと思う
2アシストした柳沢は十分活躍した部類
75 :2020/05/10(日) 10:08:23
QBKばかりクローズアップされるが
セリエA3シーズン0ゴールのFWでワールドカップを戦えるわけなかった。
77 :2020/05/10(日) 10:13:30
日韓大会の後、中田ヒデが、MVPは柳沢だって言ってたな。
83 :2020/05/10(日) 10:26:37
コンフェデメキシコ戦と最終予選バーレーン戦で普通にワントップこなしてたな
スタで見ると常に駆け引きしてて上から見ててもちょっと目を離した隙にフリーになっててほんと神業
85 :2020/05/10(日) 10:34:51
興梠も相当やりやすいと味方に言われてるが
こいつより更に上だからな柳沢は
93 :2020/05/10(日) 11:02:04.17
柳沢より動きの良いFWなんて世界でもレアだし
急にボールさえ来なければ
94 :2020/05/10(日) 11:04:01.81
残念な事にシュートが!
95 :2020/05/10(日) 11:04:09.20
柳沢と森島みたいにオフザボールやスペースメイク上手いのは、当時パサーだらけの中盤では貴重だったからな
おまけにダイレクトプレーも上手いし、決定機に絡む分外すけど、それでも使いたくなる選手だったね
96 :2020/05/10(日) 11:09:23
鈴木は凄かったな
壁をアコーディオンみたいに畳んだり、とてつもなかったわ
100 :2020/05/10(日) 11:57:23
イタリア戦の柳沢のボレーはかっこよかった
105 :2020/05/10(日) 12:22:09
柳沢はベルギー戦とロシア戦でアシストしてたな
ベルギーもロシアも柳沢鈴木の2トップに翻弄されてた
この2人はポスト上手いし守備でも頑張るからトルシエの評価が高かったんだと思う
引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1589048369/
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