京都サンガFW一美和成がゴール量産中 宮本恒靖との1対1で学んだ駆け引き

J2京都FW一美和成がゴール量産中。宮本恒靖との1対1で学んだ駆け引き。

 今、J2リーグでブレイクの時を迎えているストライカーがいる。

 現在、得点ランキング8位に位置し、日本人選手では呉屋大翔に次ぐ2位となる16ゴールをマークしている京都サンガのFW一美和成だ。

 2016年に熊本の大津高校からガンバ大阪に加入し、今年から京都に育成型期限付き移籍でやってきた。これまでG大阪でのトップチームでの出場試合は3年目に記録した9試合のみ。トップチームでは1ゴールも挙げていなかった男が、新天地でゴール量産体制に入っている。

 この変化はなぜ起こったのか。彼に話を聞くと、G大阪で過ごした3年間と新天地での覚悟が裏付けとなっていた。
CBからの突然のコンバート。

 もともと一美はCBの選手だった。当時からずば抜けた身体能力を持ち、180cmの高さとスピード、そしてフィジカルの強さと強烈なキックを武器に、1年生の時からG大阪に進んだ同級生の野田裕喜(モンテディオ山形へ育成型期限付き移籍中)とともにDFラインでコンビを組んでいた。だが、高2のインターハイ予選2週間前。平岡和徳監督(現・大津高校サッカー部総監督)に「明日からFWで頼む」といきなりコンバートを通告された。

 「最初は本当にびっくりしました。でも、パワープレーで上がって行った時に経験をしていたので、違和感なくやれました。その予選で点も取れて、FWの楽しさにはまっていきました。CBと比べて自由に動けますし、ヒーローにもなれるので、CBに戻りたいと思わなかった」

 平岡監督は彼の身体能力の高さに目をつけた。「スケールの大きなストライカーになる」と入学時からFWに仕立てるプランを持っていたという。その狙い通り、一美はフィジカルを活かしたポストプレーと、CBで鍛えられたヘッド、そして強烈なシュートを武器に、大津のエースとしてメキメキと頭角を現した。その能力が認められ、G大阪にFWとして入団。FW転身後、わずか1年半で日本有数のビッグクラブに加わったのだ。

 だが、プロでは大きな壁にぶち当たった。

U-23實好監督に教わった基礎。

 「ガンバは本当に技術の高い選手がズラリと揃っていて、ボール回しとポゼッションの質が高くて、最初は全然ついていけなかった。J1はおろか、U-23でもなかなかスタメンで出られなくて、ゴールもあまり決められなかった。これまでは身体能力でごまかせていたのですが、もうそれだけでは通用しなくなったことを明確に突き付けられました」

 経験が浅い彼にとってこの壁にぶつかるのは当然だった。だが、そこで一美にとって幸運だったのが、指導者の存在だった。1年目、U-23チームを率いていた實好礼忠監督は、彼に徹底して足元の技術を植え付けた。

 「1つのトラップ、1つのパスの精度をノリさん(實好監督)に徹底的に教え込んでもらいました」

日本を代表する2人との1対1。

 迎えた2年目。U-23監督が宮本恒靖監督(現・トップチーム監督)に代わると、彼はストライカーとしての才能をさらに磨き上げる。

 「恒さん(宮本監督)はFWとしてのサッカーの中での動きだったり、試合中の動き出しからのフィニッシュを練習からマンツーマンで教えてくれた」

 歴代の日本代表の中でも屈指の名CBが実際にマッチアップして一美に胸を貸してくれたのだ。引退したと言えど、熟練の技と経験はまったく衰えていない。さらにこちらも日本代表経験のある山口智ヘッドコーチも加わった。G大阪の守備のレジェンド2人と1対1を繰り返すことで、その感覚が植え付けられていった。

 「2人とも物凄くストイックな人で、現役選手と同じくらい体も動けるし、1対1も全力で一切手を抜かない。ボールを受ける前に体をぶつけてきたり、間合いを開けたりと細かい駆け引きをしてくる。最後のところではスライディングもしてくるし、感じる圧が違った。勝負どころを抑えているのが分かるので、抜き去るのが本当に難しかった。だからこそ勉強になったし、かなり鍛えられました」

 得意とするポストプレーと強烈なシュートセンスに、足元の技術と駆け引きが加わったことで、その能力は研ぎ澄まされていくことになる。

甘えを断って移籍決断した一美。

 2017年はJ3の舞台で戦うU-23で8ゴールを叩き出すと、2018年は3ゴール。7月に宮本監督がトップチームの監督に就任すると、8月10日のJ1第21節FC東京戦で念願のトップデビューをスタメンで飾った。ゴールこそなかったが、リーグ9試合出場とプロとしての足掛かりをつかんだシーズンとなった。

 「2年目で点を取れるようになったことが大きな成長だと感じたし、3年目で手応えをつかむことができた。でも……」

 迎えたプロ4年目の今季、彼は大きな決断を下した。

 「トップで試合に絡めたのですが、最初の2試合をスタメンで出たあとは途中出場が続きました。トップチームを経験したことで、試合にたくさん出たいという気持ちが溢れてきたんです。ちょうどその時、サンガからオファーをもらいました」

 もちろん簡単な決断ではなかった。G大阪には愛着と荒削りだった自分をFWとしてプロ仕様に仕立ててくれた恩義がある。

 「恒さんからは『残って欲しい』と言われ、それは本当に嬉しかった。でも、どこかで『恒さんだから試合に出られるかもしれない』という思いが、自分の甘えに繋がってしまうのではないかという気持ちもあって……。イチから環境を変えて、自分の力でスタメンを勝ち取って試合に出続けるようになりたい気持ちが強くなりました。かなり迷いましたが、最後は恒さんも僕の気持ちを尊重してくれた。恒さんに『一美は成長した』と言ってもらえるように、サンガで絶対に結果を残したいと思って決断しました」

強引なシュートに加わった駆け引き。

 心機一転で迎えた2019年。J2第8節栃木SC戦で京都での初スタメンを勝ち取ると、すぐさま2ゴールの活躍。そしてレギュラーに定着した第14節町田ゼルビア戦から第16節の東京ヴェルディ戦では、3試合連続ゴールをマークした。その後も、連続ゴールと記録するなど、瞬く間にブレイクした。

 「サンガに来て一番の変化は、強引にシュートへ持っていけるようになったこと。覚悟を決めて来たはずなのに、シーズンの初めはベンチ外も経験して、スタメンから外されたこともあった。やっぱり僕はゴールという目に見える結果を出さないとスタメンに定着できない。これはガンバでも同じだったのですが、代わりはいくらでもいるという危機感を強烈に感じるようになった」

 確かに今季の彼はボールを受けると素早く前を向き、遠いレンジからでもシュートを積極的に狙うようになった。

 ただ、単純にゴールへの意欲が増したからといって、得点を量産できるというものではない。もともと強烈なパンチ力は持ち味で、高校時代から強引にシュートを狙う積極性が彼の売りであった。だが、今は技術、駆け引きを兼ね備えていた。

 「あまり積極性や強引さを前面に出してしまうと、空回りをしてしまう危険性がある。なので、なんでも自分でこじ開けるというより、まずシュートとパスのどれが有効な局面かを考えて、パスが最善ならパスを選ぶ。それでボールを収めてからターンがスムーズになったし、顔が上がるようになった。一度預けて動き直すことも学んだし、ノリさんによって磨かれた技術と、恒さんと智さんで磨いた1対1が本当に生きていると実感しています」

劣勢の中で光った弾丸ライナー。

 J2第38節アルビレックス新潟戦、一美は2試合連続のベンチスタートになった。0-2とリードを許した63分にFW宮吉拓実に代わって投入されるも、その後チームは3失点目を喫し、敗色濃厚となった。

 「2点ビハインドの状態でシュート本数も少なかったし、みんなどこか消極的になっていたので、流れを変えようとシュートを打つことを意識した。3失点目を喫して、より消極的になった気がしたので、僕が強引にでもシュートを打つことで、ベクトルを前に向けたかった」

 その言葉通り、ゴールから離れた位置からでも積極的にシュートを放った。

 81分、MF小屋松知哉からクサビのパスを受けると、ファーストタッチで前を向いた。すぐさま左足でボールを前に持ち出すと、ゴール前約25mの位置からダイナミックなフォームで右足を強振。

 「スムーズに前が向けたので、シュートとパスどちらも考えましたが、相手が前に出てこなかったので思い切って狙いました」

 ブロックに入ったDFにわずかに触れたが、弾丸ライナーの威力は落ちることなくゴール左隅に突き刺さった。

次に繋げる要素を増やしたかった。

 さらに後半アディショナルタイム。相手のスローインから猛プレスを仕掛けてボールを奪い取ると、MF仙頭啓矢とのワンツーでカットイン。相手が突破を阻もうとプレスにきたところを、今度はフリーのMF中坂勇哉にダイレクトパス。中坂からボールを預かった仙頭のクロスに小屋松が飛び込む。相手GKのビッグセーブに阻まれたが、一美の成長した要素が十分に詰まったプレーだった。

 チームは1-3の痛い敗戦を喫したが、0-3で終わるのとでは、得失点差はもちろん、チームの士気的にも大きく異なる。昇格争いに身を置く京都にとって価値ある1点だった。

 「1点も取れずに負けたら『完敗』になって、より大きな痛手になってしまう。0-3になっても、1点を返すことはチームにとって絶対に必要だと思っていました。負けはマイナスだけど、なんとかそのマイナスを少しでも減らしたかった。次に繋げる要素を増やしたかった」

「ようやくプロサッカー選手になれた」

 今季、彼が積み上げた16ゴールはキャリアハイの数字だ。まだリーグ戦を4試合も残しており、さらなる上積みが予想できる。京都は第38節終了次点で、プレーオフ圏外の7位だが、自動昇格圏内の2位・モンテディオ山形と勝ち点差は5。プレーオフ圏内の6位・ファジアーノ岡山とはわずか1差だ。10年ぶりのJ1復帰に向け、一美の得点力に期待が高まっている。

 「4年目にして、ようやくプロサッカー選手になれたなと感じています。1年を通して順位を気にして、勝ち点、ゴールの重みを感じながらプレーできる喜びもある。だからこそ、スタメンだろうがベンチスタートだろうが、そんなことよりも試合に出たらゴールすることにこだわって、どんどんシュートを狙いたい。絶対にJ1昇格をしたいですし、昇格させる選手になりたい。そのためには残り4試合でゴールを積み重ねる。それでこそ、真の自分の評価になると思う。先のことは考えず一戦一戦に全身全霊を尽くしたいです」

 今年11月で22歳になる彼は来年の東京五輪世代でもある。すべては今季をやりきってこそ、未来が拓けてくる。

 「ストライカー・一美和成」を育ててくれたこれまでの指導者に感謝の気持ちを抱きながら、古都のポイントゲッターは目標に向かって一直線に突き進む。

text by 安藤隆人 Takahito Ando

Number Web 2019/11/02 11:30
https://number.bunshun.jp/articles/-/841326

新潟戦で敗れるも、一矢を報う強烈なシュートを決めた京都FW一美和成。今季16ゴールは、J2得点ランキングで日本人2位の数字だ。 photograph by Takahito Ando
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191102-00841326-number-socc.view-000

 

8 :2019/11/04(月) 01:45:38.12

要潤

 

11 :2019/11/04(月) 01:47:06.56

小川より一美だろ。ポストプレーが出来て点がとれる希少な存在。
サッカー界の要潤

 

12 :2019/11/04(月) 01:48:05.85

一美は物になってきたけど高二で熊本強化指定のJ2で活躍してた野田の方が伸び悩むとは

 

16 :2019/11/04(月) 02:20:08.73

背高いけどベッドより足元結構うまい。
あとゴール前で落ち着いてる。

京都プレーオフあがれなければJ1のクラブがほっとかないだろうね。

 

18 :2019/11/04(月) 02:21:17.23

そのサンガが前半は昇格は間違いないって言われてたのにいつの間にか失速してるやん
1人昇格するかな
J1で見てみたい

 

19 :2019/11/04(月) 02:28:57.55

身体能力高くて技術も付いてきてるから期待できる
J1からオファーありそうだな

 

21 :2019/11/04(月) 02:58:27.98

何代目京都の至宝や?

 

26 :2019/11/04(月) 03:54:47

黒部みたいにJ2で無双してJ1に上がってパッとない選手もいたしな

 

28 :2019/11/04(月) 04:10:32

サンガまた取られちゃう

 

29 :2019/11/04(月) 04:34:10.08

一美、呉屋
ガンバに戻って活躍できるか?
今の宮本の戦術で

 

34 :2019/11/04(月) 05:52:51.86

呉屋は他チームから好オファーきて
ガンバには戻ってこなさそうだなあ
つうかガンバはレンタル放流多すぎ問題

 

35 :2019/11/04(月) 06:12:41.05

京都は昇格厳しくなったな…
J1での新スタ柿落としは難しそう…

 

36 :2019/11/04(月) 06:47:26.66

個人昇格だな
J2オールスターズ辺りが目をつけてる

 

44 :2019/11/04(月) 07:28:27.78

そもそもガンバからのレンタルなんだから、ガンバに戻るのが既定路線では

相手を身体で弾くくらいの強さと強力なシュート、意外と広い視野がある
もう少し足元が上手くなればJ1でも二桁行けるんじゃないかな

 

46 :2019/11/04(月) 07:48:10.98

一美
宇佐美
アデ美

ビューティフルトリオを結成して
スローガンは「美しく勝つ」ですね、分かります

 

引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1572799339/

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