久保建英はレアル・マドリーで輝けるのか?レギュラー到達のアタッカーは25年間で4人だけ

レアル・マドリード

レギュラー到達のアタッカーは25年間で4人だけ――久保建英はレアル・マドリーで輝けるのか?

いきなりビッグクラブで成功した日本人はいない

 メガクラブへのステップアップは、まだ18歳という久保建英のキャリアに今後どんな影響を与えるのか。中田英寿や本田圭佑、中村俊輔などのヨーロッパでの歩みを参考資料に、レアル・マドリーのトップチームで輝くための条件を探ってみた。 文●加部 究(スポーツライター)

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 スポーツの醍醐味は、未知との遭遇だ。記録は書き換えられ、新しい怪物は常識を覆す。

 だから久保建英という日本サッカー史に例を見ないタイプの才能の大きさは、たぶん誰にも推し量れない。せいぜいやれるのは、半世紀以上眺め続けた歴史を頼りに、いくつかの可能性を探ることくらいだ。

 ネガティブな材料から示せば、まだ日本には、いきなり欧州のビッグクラブで成功した例がない。親日派のアーセン・ヴェンゲルが長期政権を敷いたアーセナルには、稲本潤一を皮切りに、宮市亮、浅野拓磨が入団したが、誰もロンドン(アーセナルの本拠)では確かな足跡を残せていない。長く日本代表で中核を担った稲本は、やがてアーセナルを離れると、イングランドやドイツの中堅クラブでキャリアを重ねた。宮市はレンタル先のフェイエノールトでは衝撃的なデビューを飾ったが、そのあとは怪我に泣いた。

 ガンバ大阪で「クラブ史上最高傑作」と期待を集めた宇佐美貴史も、19歳でバイエルンに移籍をした。確かに欧州チャンピオンズ・リーグの優勝メダルをかけたので、それだけでも金字塔とも言えるが、その後のドイツでの低評価を覆せなかった。

 元ドイツ代表で、かつてジェフ市原(当時)時代には得点王に輝いたフランク・オルデネヴィッツ(通称オッツェ)氏を筆頭に「バイエルンに行くのは早過ぎた」との見解が一致している。年代別代表の国際試合で、宇佐美が相手のエースより見劣りすることはなかったという。しかし常にドイツ全土の才能が集結し、まして欧州制覇を遂げた名門クラブは、Jアカデミーから生まれた未曽有の天才にとっても、最初のハードルにしてはあまりに高過ぎた。

 ただし欧州の窓口としてビッグクラブは荷が重いが、反面中堅以下のクラブから成り上がるのも同じように難しい。特に周囲との連係で光るタイプのアタッカーは、環境の選択が生命線になる。例えば、ドイツでも清武弘嗣の才能には、多くの関係者が着目していた。セビージャからセレッソ大阪に戻ってしまったあとにも、前出のオッツェ氏に言われた。

「ドイツでもいくつものクラブが欲しがっている。なぜ帰国したのか尋ねてほしい」

 だがニュルンベルグ、ハノーファーと所属クラブが残留争いに巻き込まれ、常に頭の上をボールが通過していくような展開では、清武の見せ場は限られた。

 一方清武とは真逆のコントラストを描いたのが香川真司だった。体格もC大阪出身という背景も酷似したふたりだが、香川は攻守の途切れない連動を標榜するユルゲン・クロップ監督(現リバプール)にその才能を買われ、ドルトムントの軸に据えられた。全ての攻撃は香川を経由し、そこで味つけされてフィニッシュへと流れていく。リーグ連覇を果たし、2シーズン目は2冠達成(リーグとドイツ・カップ)の立役者として香川の価値は飛躍的に高まり、23歳でマンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)の一員になった。

 圧倒的なフィジカル能力を備え、単独でもゲームの雌雄を逆転してしまうタイプが想定し難い日本人アタッカーにとっては、この香川のパターンが成功の方程式だった。

フィジカルだけではなくメンタルの強靭さも必要

 日本人で初めて欧州トップリーグでプレーした奥寺康彦も、ケルン入団1年目のシーズンにドイツで2冠獲得を経験した。当時チーム内には西ドイツ代表が目白押しで、ハインツ・フローエを中心に中盤からは矢継ぎ早に質の高いパスが供給された。ケルン入団への最終テストの意味合いを持つ日本代表時代の練習参加では「いつもこんなに凄いパスを受けられたら楽しいだろうな」と実感したそうである。一方でチームを指揮する名将ヘネス・バイスバイラーが、日本代表監督の二宮寛と昵懇で、クロップが香川の才能を見込んだように、奥寺をトップレベルのプロに育てようと意欲的だったのも重要なポイントだった。

 また小野伸二も、オランダで3強のひとつ、フェイエノールトに移籍し、デンマーク代表のヨンダール・トマソンやオランダ代表のピエール・ファンホーイドンク、さらには成長途上のロビン・ファン・ペルシらを見事に活かし切り、いきなりUEFAカップ(現在の名称はヨーロッパリーグ)を手にした。もちろん小野には傑出したテクニックや戦術眼が備わっていたが、移籍して間もなくオランダ語をマスターしてしまった順応性も見逃せなかった。

 さらに中村俊輔も伝説を紡ぎ出したのは、スコットランドで唯一欧州制覇の歴史を持つセルティックに移籍してからで、ゲームを支配できる分だけファンタジーを吹き込む機会も増え、欧州の舞台ではマジカルなキックがインパクトを強めた。

 逆に中堅以下のクラブから浮上するには、個の強烈なアピールが不可欠になる。そして象徴的なふたりの成功例を見ても、フィジカルだけではなくメンタルの強靭さも必要だ。

 まず中田英寿は、セリエBから昇格したばかりのペルージャの一員となるが、1998-99シーズンの開幕戦から孤軍奮闘し前回王者のユベントスから2ゴールを奪っている。歴史的にも日本人としてはもっとも鮮烈なデビューだった。のちに中田がボローニャでプレーした時の指揮官だったカルロ・マッツォーネは語っていた。
「彼は十分な自信を備えていた。だから相応の役割を与えたんだ」

 本田圭佑の巻き返しは、さらに過酷だった。加入したオランダのVVVは最初のシーズンで2部に降格。しかし翌シーズン、途中から本田がキャプテンマークをつけ1部復帰に貢献。昇格後も格上相手に快進撃を見せ、ロシアのCSKAモスクワへステップアップした。

 だが中田に続き、セリエAに挑戦した名波浩や、鹿島の黄金期を支えた小笠原満男や柳沢敦は、大きな爪痕を残せずに短期間で日本の古巣に復帰した。名波が移籍したヴェネツィアでは、前シーズンにインテルからレンタルで加入したアルバロ・レコバが、ひとりでまるでスーパーマンのようにチームを降格の危機から救った。しかし同じレフティでも名波の特徴は違った。活用する駒がなければ、磐田で描くようなファンタジーをピッチで披露するのは不可能だった。

 こうして日本人選手たちの欧州挑戦史を振り返っても、残念ながら最終的にビッグクラブで大きな成功を掴み取ったケースは見当たらない。最も近づいたのは香川で、マンUでもリーグ制覇に貢献したが、ドルトムント時代に比べて役割が変わり出場機会も減った。本田圭佑が契約したミランも、そこから10年間遡れば掛け値なしのビッグクラブだったが、すでにセリエA全体の地盤沈下が進行していた。

久保と中井の“トップ共演”は奇跡以外の何物でもない

 結局久保が契約したレアル・マドリーは、クリスチアーノ・ロナウドがマンU、ジネディーヌ・ジダンはユベントス、フェノメノ(怪物)と呼ばれたロナウド(元ブラジル代表)はインテル、マイケル・オーウェンはリバプールを経て到達した究極の場所だ。それらのクラブで世界最高と容認された選手たちが、伝統の真っ白なユニフォームに袖を通してきた。

 例えば、90年代から始まった固定背番号の変遷を見れば、レアルのトップチームに定着する難易度が分かる。昨季まででエース級のアタッカーを意味する7~11番をつけた選手の数は、それぞれ7番=3人(1人)、8番=12人(1人)、9番=10人(1人)、10番=10人(0)、11番=13人(1人)で、カッコ内はクラブ生え抜きの選手の数だ。もちろん現監督のジダンのように5番をつけてプレーをしていた選手もいるから、すべてのエースアタッカーを網羅出来ているわけではないが、下部組織出身でポジションを奪う確率を見極める目安にはなる。

 生え抜き唯一の7番は、言うまでもなく久保がプレーすることになるカスティージャ(以下レアルB)の監督を務めるラウール・ゴンサレス。8番もミッチェルが14シーズンに渡り背負ったが、9番のロベルト・ソルタードは、期待を集めてレアルBからトップチームに昇格したものの、3シーズンで16試合の戦歴でクラブを去っている。

 また、ただひとり11番をつけたエステバン・グラネロも、レアルBからヘタフェにレンタル。そのまま完全移籍してからのシーズンの活躍が認められて戻ってきたが、3シーズン後にはクイーンズ・パーク・レンジャーズと契約した。

 約四半世紀でレギュラークラスのアタッカーを意味する7~11番の背番号をつけた延べ48人のうち、生え抜きはわずかに4人。実に91・7㌫を他のクラブから獲得しており、久保の置かれた状況の厳しさが分かる。ましてメディアが盛り上げるように、現在上から数えて6番目のカデーテAに属する中井卓大とのトップチーム共演が叶うとしたら、それは奇跡以外の何物でもない。

1年前は「日本のメッシ」が本物に近づく日が来るとは…

 率直に、今、久保がR・マドリ―と契約をすることに際立ったメリットは感じられない。先述のとおり、R・マドリ―のレギュラーが最終目標なら、少なくとも世界で指折りのアタッカーになるしかない。当然R・マドリ―が所有する選手なので、レアルBでのパフォーマンスや紅白戦などを通してアピールの機会には恵まれ、他クラブの同等レベルの選手よりは優先されるだろう。

 しかしレアルBが属する3部リーグは、急成長中の久保の能力を最大限に引き上げる場だとは思えないし、反面久保とは桁違いの違約金(約58億円)を支払って獲得したロドリゴを筆頭に、ライバルたちの水準は極めて高い。そのうえトップに昇格できたとしても、レギュラー奪取は至難の業で、常勝を求められる分だけ見切りをつけられるのも早い。ボクシングに例えれば、R・マドリーのレギュラーは統一世界チャンピオンなので、圧倒的なパフォーマンスで防衛し続けない限り、次はクラブから出ていく運命が待っている。

 結局久保が参戦したのは、世界最高のアタッカーの座を賭けたレースだ。本来ならR・マドリー内部に属すより、適正水準のクラブでプレーし続ける方が効率的だったと思う。もしR・マドリ―で1年後にトップ昇格したとしても、出場機会が見込めなければ他のクラブに貸し出されるので、それなら1年間の遠回りになる。

 だがそれは、あくまで過去の例を頼りにした常識的な見方だ。リオネル・メッシが初来日したのが2004年。才能は見て取れたが、まだ大きなインパクトはなかった。それから2年後には19歳になり、アルゼンチンークロアチア戦で直に確認すると、相手DFはまったく対応不能で1ゴール・1アシスト。もう世界一の選手になる未来は見えていた。

 1年前は「日本のメッシ」が、本物に近づく日が来るとは到底思えなかった。長く子どもたちの育成過程を見て来た関係者からは、究極の絶賛が耳に入って来たが、どうしても大人と比べてしまうと将来非力を克服できるのか、などに疑問符がついた。

 ところが今年のJ開幕からFC東京でレギュラーの座を奪うと、試合ごとに成長のスピードを加速させていった。切れ味を増すドリブルでマークする相手は次々に転倒するようになり、そんな武器を備えながら状況に応じた判断は成熟している。コパ・アメリカのチリ戦でも前半は戸惑ったが、後半は切り札として機能した。

 日本からメッシは生まれない――。それは過ぎ去っていく常識なのかもしれない。そしてもしも久保が世界で指折りの選手になる日が来るなら、R・マドリ―選択は最善だったことになる。

文●加部 究(スポーツライター)

サッカーダイジェストWeb 2019年07月04日
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=60983

レアル・マドリーへの移籍を実現させた久保。果たしてトップチームで輝きを放つのか? (C) SOCCER DIGEST
https://www.soccerdigestweb.com/photo/id=60983&page=1&no=01

 

11 :2019/07/05(金) 09:26:27.18

レアル定着しなくても怪我さえしなければどこかの大きなクラブのレギュラーにはなるよ
成長を待つまでもなく既に力あるんだし

 

12 :2019/07/05(金) 09:27:18.65

必ず宇佐美晒し上げるのをやめてさしあげろ

 

17 :2019/07/05(金) 09:33:19.28

ルーカス・バスケスとかマリアーノ見てると
簡単そうに思える

 

18 :2019/07/05(金) 09:35:28.04

ヨーロッパの挑戦が成功か失敗かの最初の判断でさえ5年後くらいでしょ
1年レアルBにいて3年ローンで武者修行したとしてまだ22でオリンピックにも出られる歳なんだし

 

20 :2019/07/05(金) 09:37:14.00

清武はなんで急速にダメになってしまったのか

 

23 :2019/07/05(金) 09:40:13.81

>>20
メンタルが弱すぎた

 

24 :2019/07/05(金) 09:40:14.27

>>20
中盤で相手のプレスを剥がして前に運べないから
柴崎と同じだよ
プレスがかかったらバックパスにすぐに逃げてしまう選手は信用されない

 

28 :2019/07/05(金) 09:43:35.08

賢い子らしいから、高いレベルで問題に直面した方が伸びるんじゃないのかな

 

36 :2019/07/05(金) 09:46:05.98

冷静な評価だと誰でも無理っていうだろ
けどここ一年間の奇跡的な伸び考えたらまた期待してしまうのも当然
もしかしたら凄いもの見れるかもっていう

 

44 :2019/07/05(金) 09:49:21.37

未蘭も輝けなかったな

 

72 :2019/07/05(金) 10:21:57.74

コパであれだけ通用したんだからやれるだろ

 

74 :2019/07/05(金) 10:25:17.85

今の段階で言葉が通じるのは、実はかなり大きなアドバンテージではないかと思う

 

97 :2019/07/05(金) 10:45:58.83

長友はノータッチか

 

102 :2019/07/05(金) 10:50:06.58

プレミアで奇跡の優勝に貢献した岡崎の名前をあげないのは
何か理由があるのか?

 

115 :2019/07/05(金) 11:03:46.37

まあ普通にアザールかヴィニシウスに勝たんとアカンわけで

 

122 :2019/07/05(金) 11:07:47.29

ドルはビッグクラブだっつーの

 

127 :2019/07/05(金) 11:11:41.79

>>122
ビッグクラブなら踏み台にはされないでしょ
ドルトムントとかただの育成クラブよ

 

123 :2019/07/05(金) 11:07:49.45

ウーデルゴーですら戻ってこれないから
久保君のファンは現実を見よう

 

131 :2019/07/05(金) 11:18:34.32

>>123
そいつセグンダB60試合5ゴールの失敗作だからな

 

162 :2019/07/05(金) 11:42:57.33

ウーデゴールは16才で移籍だろ?
色々無理があったんだろ

 

194 :2019/07/05(金) 12:06:16.48

でもレアルの右サイドってスター級の選手いないよね?
ムバッペ来たら終了だけど

 

200 :2019/07/05(金) 12:14:40.21

大体世界中探しても
10代でレギュラー取れそうなのなんてムバッペぐらいしかおらんからな

 

213 :2019/07/05(金) 12:26:54.46

U21スペイン代表が欧州選手権で優勝したけど
10番のダニ・セバージェスはあのレベルでも
レアル放出候補なんだな プレースタイルが
レアルに合わないのか

 

263 :2019/07/05(金) 12:55:19.56

アタッカーとしてよりモドリッチのプレーを盗んでハイブリッドなMF像を築いてほしいわ

 

http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/mnewsplus/1562286100/

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